バーチャル寺院IN京都

 やさしい 法 話 の コ ー ナ ー 

亀 龍 院

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  「食」・平成八年を見つめて

平成8年の「今年を表現する漢字」 は「食」に決定したそうである。
(財)日本漢字能力検定協会 発表

 最近の私達は豊かになり、日本 人総グルメの時代とまでいわれ、 外食産業も多はやりと思いきや さにあらず。
 O157による集団食中毒の発 生により騒然となった日本、老人 福祉を食い物にした厚生省の高級 官僚、バブルで庶民の宅地を食い 荒らした地上げ屋たち、挙げ句の 果ては地上げ屋に荷担していた住 専は税金で食い繋ぎ、市民の血税 でもて官々接待で高級料亭商売大 繁盛とか。

 いやはや、過去1年のニュースを振 り返ると毎年ブルーな気持ちにな ってしまう。

 「食」といえば仏典に出てくる摩 竭魚(まかつぎょ)という想像上の 魚がある。
 この摩竭魚は「大きな巨体の魚で、 多くの魚を呑み下して飽かない」様 を表現するときの喩えに使われる 魚です。

 仏教の教えでは、三毒煩悩といっ て、人間にとって最も根本的な三 種の迷いがある、これを貪(とん)・ 瞋(じん)・痴(ち)と説く。
 この貪とは「貪欲なむさぼり」を 意味する言葉でありますが、これ は人間個人のみならず、人間社会 そのものに根底が在ると考えても よさそうです。
 欲望を満足させることも容易で はありませんが、「足るを知る」こと はもっと難しいことです。

 「瀾水一杯朝支命」とはお大師 様が修行をなされた時の詩文『性 霊集』の一節です。
 「朝(あした)には川の水を一杯飲 んで露命(ろめい)を支え、夕べには 山の霞を一呑みして魂(たましい) を養う。」と続きます。
 今の時代こそ、私達が一人一人 が反省しなくてはいけないお言葉 のようです。

合 掌

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