亀龍院(通称:亀薬師堂)略縁起


 略 縁 起 延命山亀龍院(旧称亀薬師堂)

淳和天皇(786〜840)の勅命により弘法大師御自作の愛染明王(座像・木造一尺五寸ばかり)を奉安し以て万民豊楽国家安穏を祈念せる道場なり。棟木の名に曰く、「天長六年酉(829)八月建立」と云々。

 九条関白尚実公(1717〜87)参拝の砌霊験あらたかなれば「日の出愛染明王」と唱せり。仏殿の額「日出愛染明王」と書す、九条関白尚実公の御筆なり。

 寺内に安置す亀薬師(金銅仏立像、一尺五寸ばかり)亀甲に立たせたまう。古へ浦島太郎の子、竜宮より請来しけるとぞ。

 もとは方一町の廣大なる地域であったが、中世退轉して天明元治大火に堂舎什器古記録等烏有に歸し、本尊のみよく災いをのがれ薬師堂として僅かに昔の面影の一部を留める。

 近世に到っては薬師如来を本尊となし、其の尊像亀甲に立たせければ世人之を亀薬師と称し、洛中洛外の善男善女が奉納す香で紫煙たなびく賑わいをみせ、『亀龍院竹之坊』『亀薬師堂』と呼ばれ、洛中の『亀薬師さん』と親しまれておりました。

 悪しきも明治の廃仏毀釈の法難にあい、またしも大戦の動乱期に薬師如来の尊像をも流出するにいたりました。

 戦後住職(實祐)が敗戦の混乱を嘆き、天下泰平、万民豊楽を祈念し、新らたに「不動明王」を勧請し、ひたすら衆生救済を願い日々御祈念申し上げ、延命の御不動さんと称されるに至り、市中の(安心)心の安らぎの場として参詣者に親しく愛されております。

 このたびご縁がありまして文化シャッター株式会社社長亀谷晋様の篤信により、この亀薬師如来像の復刻完成いたすことが出来ました。

 薬師如来という仏さまは、人間の心や体の病気を治してあげたいという十二の願いを持って、人間の世界に現れた仏さまです。二十一世紀を迎えた今日においてもその意義は大きく、私たちの「心のいやし」の仏さまとしてお祀り申し上げるこどが出来ますこと、この上もなく幸甚の至りと感謝申し上げてお祀り申し上げております。


      

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